はじめに
指導教授は にこやかな顔で 言いました。 自然科学のような ふりをしてる詩を 学んでみてはどうかね? そんなことが できるんですか!? 指導教授は 私の手を握って 言いました。 社会人類学もしくは 文化人類学の世界に きみを歓迎するよ。 カート・ヴォネガット 人類学者というのは、 作家、小説家、詩人に なりそこねた人たち なのです。 J・クリフォード その他のジャンル
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平成18年度「文化人類学解放講座」の
後期テストのやり方はいつもと同じです。 ただし今回は答案用紙が3種類ありますので、 好きなものを自由に選んでください。 ............................................................................................ 【説明】 今年(2006年)も大学から「試験中の不正行為未然防止について(お願い)」の 通達がありましたので、「文化人類学解放講座」の今年の夏のテスト(解放模試)の 問題は今年もまたこれです。 【問題】 前期の講義で見た映画や資料をもとに、自分で回答できる問題を自分でつくり、 その問題に自分で答えを出し、それを自分で評価してください (参照物すべて可、 グループでの話し合い可、PC・携帯・電子辞書などの使用オール可)。 よって今回も「不正行為」はゼロ(無理)です。このテストは、自分がどこまで インディペンデントに、かつ、フリーになれるかを自分で試す模試(テスト)です。 ▼「答案用紙」 ◎後期試験用答案用紙 Aタイプ pdf版(1.91MB) Bタイプ pdf版(4.55MB) Cタイプ pdf版(560KB) ◎前期試験用答案用紙 Dタイプ pdf版(1.59MB) 【試験中】 知は共有物です。知識は いくら人に与えてもへらず、 分け合えば分け合うほど 豊かになる共有資源です。 提出された答案はすべて おもてをむけてテスト中の 教室で公開し、自分ひとり では思いつかなかったような 答えやその表現のしかたを 互いに共有しあい、みんなが よりよい答案をつくれるように しました。 【BGM】 Wunder "Look for Yourself"ほか 【結果】(下図:前期の期末試験の答案) 知識の共有と協働からできた答案です。文字だけの答案用紙は、それがたとえ、 どんなによく書けていても、1メートル離れて見ると他の答案と区別できませんが、 これらの答案は、1メートル離れてみても、それぞれに個性を表現しています。 人に何かを伝えようとする時は、内容もさることながら、表現の方法も大事です。 どんなにすばらしい内容でも、それを伝える媒体や表現がともなわなければ、 人の目にはとまりません。遠くまで届きません。伝えたい相手に伝わりません。 情報にあふれた社会では特にそうです。また、なにかを表現するにはそれをみる 他者についての想像力が必要です。文化人類学は他者を理解する学問ですが、 しかしその前にまず、他者の存在を想像できなければ、理解もはじまりません。 「想像力よ一歩前に、理屈はあとからついてこい」。これがこの講義のスローガン です。後期の講義では「グローバリゼーション」について学びます。そこでは さらにもっと想像力が必要になります。さまざまなドキュメントフィルムをみて、 テレビやマスメディアが報道しない「グローバリゼーションのうらがわ」を知る だけでなく、グローバリゼーションが地球に与えているダメージや、人類とその 未来(特にこどもたち)に及ぼしている災いとその苦しみを想像することが大事 です。知識だけでは共感も行動もうまれません。たとえば、スウェットショップと よばれる工場では、第三世界・第四世界のこどもや女性たちが、ひどい労働 条件と環境のもとで、驚くほど安い賃金(時給50円未満)で働かされていて、 それがグローバリゼーションをささえています。そうした、いま・そこにいる・ 見えない他者たちの存在を、ただ知るだけでなく、その苦しみやつらさや みじめさを想像し、それに同情し、そうした不正に対してたちあがった人たちに 共感を感じるような想像力と情動を身につけ、それを表現する方法を学ぶことが、 後期の講義の目的です。 ただひとつ注意しなければならないのは、大胆でユニークすぎる想像力は、 それを理解できない人たちからの誤解をまねきやすいということです。 たとえば、このヴィデオはそれを教えてくれています。 (教材) ▼公共広告機構 「黒い絵」 http://www.youtube.com/watch?v=SNv4hBbu8K4 だからこそ、自分の想像しているものを、ただしく表現し、他者にただしく伝達し、 なおかつ、他者と分かち合うための方法や手段を身につける必要があるのです。 この「黒い絵」のこどもの不幸は、自分が想像したものを、誰にも伝えず、自分 ひとりだけでやろうとしたことで、自分ひとりでやること自体はわるいことでは ありません。本当の不幸は、想像力を表現し伝達し分かち合う方法や手段を 教えてくれる大人がいなかった(あるいは授業がなかった)ことではないでしょうか。
by mal2000
| 2003-09-11 21:36
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