はじめに
指導教授は にこやかな顔で 言いました。 自然科学のような ふりをしてる詩を 学んでみてはどうかね? そんなことが できるんですか!? 指導教授は 私の手を握って 言いました。 社会人類学もしくは 文化人類学の世界に きみを歓迎するよ。 カート・ヴォネガット 人類学者というのは、 作家、小説家、詩人に なりそこねた人たち なのです。 J・クリフォード その他のジャンル
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これより以下、 「文化人類学」を ハイブリッドな 雑種の学問として 脱/再構築する この講義の土台にある 基本的な設計思想はこうです。 「これより以下のことはすべて "それはこうである"ではなく、 "それはこうなら、よくわかる"である」 レオ・フロベニウス 『パイデウマ』序章より #この講義では、正確な定義や意味ではなく、 ものの見方と了解の提供を、優先します。 「だからね、アンナ、つまり、 こういっていいと思うんだ」 (*編み物をしながら聴講していた妻に語りかけた言葉) エドワード・タイラー 『ある講演』より #この講義では、WEBを通じて、学外の方たちの 独学に役立つ情報とフレンドリーな理解を提供します。 いまや「裸の王様」になって、くたびれはじめた「文化人類学」を、その周縁と 終焉の方から建てなおしてゆく工法もまたハイブリッドで、アッサンブラージュ、 ブリコラージュ、デクパージュ、モンタージュ、カモフラージュ、カットアップ、 マッシュアップ、サンプリング&リミックス、アイロニカル・ジャクスタポジション、 リバース・エンジニアリング、インスタレーション、ホームワークなどなど、 そのほかいろいろな手法の混合技法(ミクストメディア)でつくられています。 こうしたテクニックは、 現代美術の作品づくりや グラフィック・デザイン、 展覧会のディレクション等の 雑多な仕事のなかで、そのつど 現場で実地に身につけたもので、 いずれこれを「民族誌」に応用してみる、 (M・タウシグのこの本はそれに近い) その前にまず「文化人類学」の講義に 実験的に応用してみたのが、いま、皆さんが出席している、この講義です。 通常の「文化人類学」の講義なら、進化論からはじまって→機能主義→ →構造主義→ポスト構造主義、という具合に直線的に進むか、あるいは、 テーマや地域をしぼってモノグラフ的に展開するのですが、この講義は、 そういう風には進まず、BLOGの特性を活かして、あっち+こっちに トラッキングしながら展開してゆきます。なかには途中で道に迷う人も いるでしょうが、道に迷わないような旅は旅ではありませんから、 迷うことをおそれずに、ついてこれるところまでついてきてください。 ロサルドの「文化の定義」にあったように、文化の研究である、 文化人類学もまた、「さまざまの異なったプロセスが、 その境界線の内側と外側とから縦横無尽に行き交う 透明性の高い交差点の連続」なのですから。
by mal2000
| 2005-02-16 15:13
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